立川談四楼著『七人の弟子』(左右社)を読む。

立川談四楼師匠は七代目・立川談志の高弟であり、「本書く派」の噺家さんだ。
談四楼師匠の小説は何冊か読んでいるが、落語同様その文体も心地よい。
『七人の弟子』は、ご自身と弟子たちとの関係を書いた実録小説だ。
談四楼師匠のところには、40歳以上の中年の入門志願者が多く来る。
彼らとのやりとり、そして弟子たちに対しての温かい思いが心地よい。
もちろん、人間のすること、良いことばかりではなく、怒りや後味の悪いこともある。
それらのことが包み隠さず書かれている。
本書には、「七人の弟子」「長四楼のこと」、そして「三日間の弟子」の3作品が収められている。
どれも魅力的な作品だが、私は「三日間の弟子」がとくに良かった。
もしかして談四楼師匠の兄弟子になっていたかもしれない原氏という人物が、昔むかし、三日間限定で談志の弟子になったという話だ。
「人生」というものを考えさせられるとともに、やはり立川談志は魅力的な人だったと思った。
『七人の弟子』、たいへんすばらしい作品集だった。